ekクロススペースは「ekスペース」をベースに、三菱自動車が強みを持つSUVのデザイン要素を盛り込んだ軽ハイトワゴンです。
三菱独自のデザイン言語を表現する「ダイナミックシールド」を採用することで、アウトドアシーンにも馴染む力強い印象を持たせています。
今回、最上位モデル「ekクロススペース T(4WD)」にじっくりと試乗することが出来たので、
・ekクロススペースのグレードとスペック
・試乗して感じたこと
以上について、解説していきたいと思います。
ekクロススペースのグレードとスペック
・ボディサイズ:全長3395mm×全幅1475mm×全高1780〜1820mm
・エンジン
659 cc 直列3気筒DOHC(BR06型)
659 cc 直列3気筒DOHCターボ(BR06型)
・モーター
交流同期電動機(SM21型)
・最大出力
(エンジン):38 kW (52 PS)〜47 kW (64 PS)
(モーター):2.0 kW (2.7 PS)
・最大トルク
(エンジン):60 N⋅m (6.1 kgf⋅m)〜100 N⋅m (10 kgf⋅m)
(モーター):40 N⋅m (4.1 kgf⋅m)
・燃費:16.4km/L〜20.8km/L
新開発された「BR06型」は先代ekワゴン、ekスペースに搭載されていた「3B20型」よりも、全領域で性能を向上させています。
また全車にモーターを用いてエンジンアシストを行う「マイルドハイブリッド」を採用しており、低燃費でトルク感のある走りを実現しています。
グレードは、
・エントリーグレード「M」
・装備の選択肢の多い中間グレード「G」
・ターボエンジン搭載グレード「T」
の主に3グレードが用意されていました。
「G」、「T」には、さらに「Plus Edition」「Premium」の2グレード用意されていましたが、違いは快適装備の有無のみで、走行性能の違いはありません。
グレード展開はいつもの三菱らしいシンプルな構成です。
試乗レビュー
良かった点
軽自動車とは思えないゆとりある走行性能
車重が1トンを超えるモデルですが発進時のトルク感は豊かですし、急坂でも力不足を感じることはありません。
普段使用しているデリカ:D5(2.4Lガソリン車)よりもトルク感は負けていないと感じました。
低回転から40 N⋅m (4.1 kgf⋅m)もの高トルクを発揮するモーターがいい仕事をしています。
今回はターボモデルを試乗しましたが、自然吸気モデルでも不満は少ないのかなと思います。
内装の質感が高く、機能性も高い
本モデルより、日産との合弁会社NMKV主導による商品開発がされたことで、これまで三菱自動車が苦手としていた内装の品質が向上しています。
試乗した車両はメーカーオプションの「プレミアムインテリアパッケージ」を装備していましたが、ブラウンを基調とした合成皮革とファブリックのシートの肌触り、質感は素晴らしいと感じます。
純正ナビゲーションは9インチサイズを採用し視認性に優れており、ナビ周りのインテリアの造形も違和感はありません。
ドリンクホルダーはもちろん、ちょっとした小物を入れるスペースや棚なども豊富に用意されており、天井部分にも収納スペースがあります。
キャンプやロングドライブの際には重宝しそうです。
荷室容量を最大630L確保しており、荷物をたくさん積める
後席を立たせた状態でもこれだけの荷室スペースがあります。
容量35Lのリュックを立て掛けてみましたがスペースには余裕があります。
もちろん後席は倒すことができるので、大きな家具を運ぶことが可能です。
これだけのスペースがあれば、ストーブや2ルームテントといったかさばるキャンプ道具も持っていけると思います。
後席部分は完全なフラットにはならないので、そこだけは注意ですね。
イマイチな点
車両後方からのロードノイズが気になる
ekクロススペースは、後方部分の開口面積が大きくガラス面積も広いので、車内が明るく開放的なのですが、その分ノイズの侵入も多い傾向にあります。
実際に運転していて、前方からのノイズはそこまで気にならなかったのですが、後方からのノイズが気になるなと感じました。
後席に座った場合はうるさいなと感じると思います。
普通車レベルの静粛性を期待してはいけません。
デジタルルームミラーの解像度が低く表示が小さく見にくい
試乗した車にはデジタルルームミラーが装備されていました。
便利な装備だなと思っていたのですが、解像度が低く表示が小さくて見づらいなと思いました。
ekクロススペース自体が見切りが良く、後方視認性に優れた車なので、自分の目で確認したほうがいいなと思ってしまいました。
足回りが固く、荒れた路面での揺れが大きい
舗装された一般道を走る分には、気にならないレベルですが、少しでも荒れた路面に入ると路面の凹凸を吸収しきれず、ガタガタと車体全体が揺れてしまいます。
長距離走行では、普段乗っているデリカ:D5に比べると疲れるだろうなと感じました。
このあたりは、足回りのスペースに余裕がない軽自動車規格車両の永遠の課題のような気もします。
ましてやekクロススペースは室内空間を広くとっており設計的には厳しいはずなので、大きな不満に繋がらないレベルで上手に纏めていると言えるのかもしれません。
後継のデリカミニはこれらの弱点に対し、改良を施しているみたいです。
まとめ
今回は、ekクロススペースのグレード、スペックや試乗して感じたことをレビューしてきました。
販売面では苦戦したekクロススペースですが、走行性能や内装の上質感、機能性の高さを随所に感じることが出来ました。
日産との協業の成果がしっかりと生かされた車だな思います。
ekクロススペースは、中古市場で良い状態の車両が安く売られているものもあるので、納期が長くなっているデリカミニの代わりにこのモデルを買う選択もありだと試乗してみて感じました。
皆様の車選びの参考になれば幸いです。
以上、motomoro-styleでした!