【MX-30 ロータリーEV 試乗レビュー】光る部分もある一方でエンジン周りの詰めの甘さが惜しいPHEVモデル

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ロータリーエンジンを搭載したPHEVモデル「MX-30 Rotary-EV」の販売が2023年11月初旬頃に開始となります。

今回、MX-30 ROTARY-EV(Edition R)をじっくりと見学、試乗することができたので、

・MX-30 ROTARY-EVのスペック解説
・MX-30 ROTARY-EVの内装、外装について
・試乗して感じたこと

以上について、解説していきたいと思います。

目次

MX-30 ROTARY-EVのスペックについて

MX-30 Rotary-EVのスペック

・ボディサイズ:全長4395mm×全幅1795mm×全高1595mm
・エンジン&モーター:830cc水冷1ローター(8C-PH型)・交流同期電動機(MV型)
・最大出力:125Kw(170PS)
・最大トルク:260N・m(26.5kgf・m)
・燃費:15.4km/L
・EV走行換算距離
107km

PHEV車なのでガソリンと電気の2種類のエネルギーに対応するシステムとなっています。

MX-30 Rotary-EVのスペック等については、以下の記事でも詳しく解説していますので是非ご覧ください。

MX-30 Rotary-EVの内装、外装について

質感と使いやすさに拘った内装デザイン

MX-30の内装は心が落ち着く優しいデザインが特徴です。

フロントシート、リアシートともに深く沈み込まない座り心地が特徴的で、質感の高さを感じます。

Edition Rはヘッドレスト、フロアマットが専用デザインとなっています。

ドア部分の手の触れやすい部分にソフトパッドを採用し、ドアトリムアッパー部にペットボトルのリサイクル原料を素材とした呼吸感素材(専用繊維素材)を採用。

質感を高めるとともに、ふわっとした落ち着く空気感を上手く表現しているように感じます。

インパネ部はマルチインフォメーションディスプレイを採用。

ステアリングも握りやすく、スイッチ類の操作性も良好です。

ナビゲーションシステムは横長の8.8インチセンターディスプレイを採用。

シフトレバー下にダイヤル式コントローラが配置されているので、手を伸ばさなくても操作することが可能です。

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目線の移動を極力減らし、運転に集中することができそうです。

個人的に面白いと思ったのがエアコン操作関係で、なんと専用の液晶ディスプレイを装備しています。

タッチ操作も可能ですし、ディスプレイ左右のボタンで操作することも可能です。

電源周りはAC100V/150WUSB Type-ADC12Vに対応しています。

ただし、電源の位置がディスプレイの裏側にあり、しかも下部に位置しているので、正直使いづらいと感じました。

ラゲッジルーム左側にはAC100V/1500Wを装備。

大電力を必要とする家電にも対応します。

ラゲッジルームは見た目よりも広いと感じました。

今回試乗した車両は、BOSEサラウンドシステムを装備しており、サブトランク部にはサブウーファを搭載しています。

そのため、BOSE非搭載の車両に比べて、荷室容量が減少(350L→332L)しています。

シンプルだが高級感ある外観デザイン

Edition Rは、黒とマルーンルージュのツートーンになっているボディカラーのみとなっています。

他のカラーを選択できないのは残念ですが、個人的には好きなボディカラーです。

MX-30の特徴であるフリースタイルドアはやっぱり目立ちます。

タイヤサイズは215/55R18で、銘柄はブリヂストンTURANZA T005A」を採用しています。

控えめですが、エンブレムもちゃんとあります。

試乗レビュー

モーターならではの滑らかな加速フィールと安定感ある走りが気持ちいい

出典:待望のロータリーエンジン搭載、マツダ『MX-30 ロータリーEV』予約開始 423万5000円から

走り出しの感覚は、ウルトラスムーズでガソリン車では味わえない滑らかさを感じました。

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MX-30 ROTARY-EVは変速機が無く、変速ショックがないのもGood!

走り出しのトルク感は意外とおとなしいですが、アクセルを踏み込んでいけば、鋭い加速をしてくれるので、どんな路面でもストレスなく走れます。

このあたりは、出力に余裕があるモーターを採用した効果が現れていると感じます。

また、MX-30 ROTARY-EVは重い駆動用バッテリーを車両下部に配置されているので、重心が低く運転していてふらつきを感じる場面はありませんでした。

出典:マツダ株式会社

またマツダ独自の車両運動制御技術 G-ベクタリング コントロールをより進化させた、エレクトリック G-ベクタリング コントロール プラス(e-GVC Plus)を搭載しており、

モーターの優れたトルク特性を生かした緻密な車体制御を行っているので、ステアリング操作に対して、正確に車が反応しているような印象を受けました。

まるで防音室のような静粛性の高さ

出典:株式会社インプレス

静粛性は競合車よりも明らかに高いと感じます。

ドアと車体の間の気密性が高く、乗り込んでドアを閉めると周りのノイズがスッと消えるような感覚になりました。

動き出してからの静粛性の高さも見事で、タイヤからのロードノイズ等もほとんど感じないレベルです。

ボディ剛性も高く、文句をつけるところはない完成度だと言えます。

ロータリーエンジン作動時のノイズが大きい

最も不満に感じたのはロータリーエンジンのノイズが不快で、音量が大きいということです。

上記の動画はドライブモードをチャージモードに設定し、エンジンを作動させた際のものですが、低周波ノイズが大音量で車内に響いていることが分かります。

ノーマルモードEVモードのエンジンが動作しない状況では車内騒音が皆無なので、余計に落差を感じます。

著者はロータリーエンジンが好きなので、あまり文句は言いたくないのですが、PHEV車のエンジンとしては、まだまだ完成度が低いというのが現状です。

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エンジンの振動は少ないので、燃費性能やエンジンノイズのさらなる改善をマツダにはお願いしたところです。

フリースタイルドアはやっぱり使いづらい

MX-30全般に言えることですが、フリースタイルドアは使いづらいです。

フロントドアを開けないとリアドアが開けられないですし、狭い駐車場での開閉は気を遣います。

RX-8でもフリースタイルドアが採用されていますが、RX-8は「走りへの拘りを最優先しつつも、実用性も確保するため」という明確な採用理由があったため、ユーザーにも納得感があったと思います。

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RX-8は当初2ドアでの販売予定でしたが、当時の大株主フォードから4ドアでの販売を厳命された経緯があります。

しかし、MX-30は走りを強調するモデルではないですし、デザイン的にも敢えてフリースタイルドアを採用する意味がないのかなと正直思います。

まとめ

今回はMX-30 Rotary-EVのグレードや内装や外装、試乗して感じたことについて、レビューしてきました。

内装や外装、静粛性や走行性能について光る部分がある一方、ロータリーエンジン周りの完成度については不満が残るといった印象を試乗してみて感じました。

燃費性能、出力等で、レシプロエンジンのPHEV車に勝負を挑むのが難しい状況の中で、

ロータリーエンジンのメリットであるノイズ、振動の少なさをアピールしなければならないにも関わらず、今の状況のままでは、未来は暗いとしか言えません。

久々のロータリーエンジン復活で、マツダも手探りな面が多いのも分かりますが、今後の改良ではもっとエンジン周りの完成度を高める必要があると思います。

以上、motomoro-styleでした!

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