ラリー競技の最高峰「WRC」はもちろん、市販車ベースのラリーでも勝利することを目指して作られた「GRヤリス」
「86」や「スープラ」が他社との協業によって誕生したのに対し、「GRヤリス」はトヨタが独自に開発している唯一のスポーツカーでもあります。
今回、GRヤリス(RZ 6MT)をじっくりと見学、試乗する機会があったので、
・GRヤリスのグレードとスペックについて
・GRヤリスの内装、外装について
以上について、解説していきたいと思います。
GRヤリスのグレードとスペック
GRヤリスのグレードは大きく分けて
・CVTを採用したベースグレード「RS」
・高出力エンジンを採用した上位グレード「RZ」
・競技向けに特化したグレード「RC」
の3グレードに分類されます。
「RS」グレードのスペックは、以下の通りとなります。
・ボディサイズ:全長3395mm×全幅1805mm× 全高1455mm
・エンジン:1,490 cc 直列3気筒
(M15A-FKS型)
・最大出力:88Kw(120PS)
・最大トルク:145N・m (14.8 kgf・m)
・燃費:18.2km/L
・使用燃料:レギュラーガソリン
「RS」は誰にでも手軽に走りを楽しめるようトランスミッションにCVTを採用したグレードになります。
駆動方式はFFを採用し、GRヤリスのグレードの中では最も優れた燃費性能を実現しています。
「RZ」グレードのスペックは、以下の通りとなります。
・ボディサイズ:全長3395mm×全幅1805mm× 全高1455mm
・エンジン:1,618 cc 直列3気筒ターボ
(G16E-GTS型)
・最大出力:200Kw(272PS)
・最大トルク:370 N・m (37.7 kgf・m)
・燃費:13.6km/L
・使用燃料:ハイオクガソリン
「RZ」はGRヤリスの上級グレードに該当し、高出力の1.6Lターボエンジンを装備し、WRCからフィードバックした技術を惜しみなく盛り込んだ「アクティブトルクスプリット4WDシステム」を搭載しています。
様々なラリーシーンで勝つことを目標に開発されたエンジンは1.6Lという排気量ながら、「272PS、37.7 kgf・m」もの超高性能を発揮します。
エンジンを軽量化しつつ、2Lターボエンジンと変わらない動力性能を実現!
変速機は、6速iMT(インテリジェントマニュアルトランスミッション)を採用し、ヒールアンドトゥをしなくてもシフトショックのないスムーズな変速をしてくれます。
GRヤリスでは最も売れているグレードになります。
「RC」グレードは、エンジンや駆動システム等の走りに関するメカニズムはそのままに、快適装備を省略し軽量化を図った競技用グレードです。
ディスプレイオーディオ等のナビゲーション装備はもちろん、エアコンもレス化することで、「RZ」と比較して、約30kgの軽量化を実現しています。
GRヤリスの内装、外装について
走りに集中するためのシンプルな内装デザイン
試乗した車はGRヤリス RZ で、最上位グレード RZ High performanceに次ぐグレードですが、内装はシンプルです。
シートはスポーツシートになっていて、表皮はファブリック素材になっています。
もちっとした座り心地で、普段乗っているRX-8の純正レカロシートに比べると、柔らかさを感じます。
座面も滑りづらく、コーナリング時でもしっかりと体をホールドしてくれます。
RZ High performanceグレードでは、ウルトラスエードと合成皮革を用いたプレミアムスポーツシートを採用していますが、個人的にはこのシートのほうが普段使いに向いていると感じました。
ペダル類は、アルミ素材を採用しています。
ペダル配置も良好で操作しやすく、クラッチの重さもちょうどよいです。
フロアマットはGRロゴ入りとなっています。
ドアの開口部は広く、ドアポケットには500mのペッドボトルが入るスペースがあります。
しかし、ドアの加飾等は最低限なので、安っぽいと感じる方もいるかもしれません。
インパネ部はマルチインフォメーションディスプレイを採用。
スピードメーター、タコメーターは昔ながらの2眼メータースタイルとなっていて、視認性に優れていると感じました。
ステアリングは握りやすく、ステアリングスイッチも搭載しています。
純正装備ではディスプレイオーディオ機能のみですが、試乗した車には、販売店装着オプションのナビキットが搭載されていました。
8インチなので見やすいですが、解像度が低いと思います。
現行スマホが軒並み高解像度化しているので、物足りなさを感じる方はいると思います。
また、スピーカーの品質もあまり良くないのかこもったような音が気になりました。
RZ High performanceグレードおよびRZ(コンフォートパッケージ装着車)には8スピーカーのJBLサウンドシステムが搭載されていますが、GRヤリスは軽量化のために吸音材、遮音材を少なくしている関係上、ロードノイズが大きいため、オーディオを楽しむ目的には向きません。
それでもRX-8の純正オーディオよりも音は良いと感じます。
電源周りはDC12V、USB Type-A出力に対応します。
シフトは運転席の真横に位置しており、高さもちょうどよく、サイドブレーキも操作しやすい位置にあります。
ドリンクホルダーも使いやすい位置にあって便利です。
中央のスイッチでは、IMT、横滑り防止機能、アイドリングストップ切り替え操作が可能になっています。
後席のシートは座り心地が良く、足元のスペースも意外と余裕があります。
ただし2ドアなので乗り込みしづらく、窓も小さく開放感がないので、長時間の乗車は厳しいと思います。
4名乗車状態のラゲッジスペースは174L(VDA法)を確保。
ラゲッジルームは深さこそないですが、後席を倒せば広大なスペースを確保できます。
リュックとキャリーケースを載せてみましたが、荷室には余裕があります。
リアシートは6:4分割可倒式となっているので、シートアレンジも可能です。
スタイリッシュだが丸っこさもある独特な外装デザイン
素のヤリスと比べて、GRヤリスはワイド&ローな走りに適したスタイルになっていますが、ヤリス特有の丸っこさも残っているように感じます。
フロント部は大型のインタークーラーを収めるために開口部が大きく取られており、切れ長デザインのLEDヘッドランプが印象的です。
リア部のデザインも迫力があり、左右2本出しのマフラーが目を引きます。
ルーフにはカーボン繊維を用いたSMC材料を採用し、大幅な軽量化を実現しています。
サイド部のデザインはとにかくスタイリッシュです。リアのオーバーフェンダーもマッチョ感があって走りの良さを感じさせます。
タイヤサイズは225/40R18で、試乗した車両はヨコハマ「ADVAN Sport v107」を装着していました。
まとめ
今回はGRヤリスのグレード展開と内外装についてレビューしました。
外装についてはスタイリッシュでスポーツカー的なかっこよさを感じた一方で、内装は車両価格の割に安っぽい印象を正直感じました。
90年代のインプレッサ、ランエボのような潔さを感じます。
購入を検討している方は、GRヤリスはあくまでも「走りの車」であることを念頭に入れて検討することをおすすめします。
次回記事では、実際に試乗して感じたことをレビューしていきたいと思います!
以上、motomoro-styleでした!