先日、購入したデリカ:D5の新品タイヤに、ダンロップ エナセーブ RV505を装着されていました。
デリカ:D5にエナセーブってどうなんだろ?と正直思っていました。
結論から言えば、デリカ:D5の車重の重さと車高の高さに負けない剛性とエナセーブブランドの低燃費性能を両立した素晴らしいタイヤだと感じました。
今回、様々なコンディションで試すことができたので、このタイヤの良い点やイマイチな点、使用感等をレビューしていきたいと思います。
エナセーブ RV505とは?
出典:住友ゴム工業株式会社
エナセーブ RV505は、ダンロップが発売している低燃費タイヤブランド「エナセーブ」のミニバン専用タイヤです。
「エナセーブ」のタイヤは低燃費性能に定評があり、多数のユーザーから支持を得ているところですが、RV505はミニバン特有の「ふらつき」を抑えたタイヤであることを全面に打ち出した販売戦略を取っています。
エナセーブ RV505の良い点
転がり抵抗性能AAを達成した抵抗感のない走りが好印象
出典:住友ゴム工業株式会社
本製品は全サイズで転がり抵抗性能AAを達成しています。
以前、レビューしたグッドイヤー EAGLE LS EXE(転がり抵抗性能A)も路面に対し、抵抗感が少ない印象でしたが、RV505はより少ないと感じます。
乗り始めの際は、あまりにも車速が落ちないのでアクセルを踏んだままになっているじゃないか?と思ったほどです。
速度低下がゆっくりなので、頻繁にアクセル開度を変えて速度調整をする必要がなく、「運転してて楽だな」と感じました。
「ふらつき」を極限まで抑制
エナセーブ RV505は新開発の「ふんばりテクノロジー」を導入しています。
ふんばりテクノロジーとは、路面を捉える技術、荷重を支える技術を用いて、「ふらつき」を抑制するダンロップ独自のテクノロジーです。
出典:住友ゴム工業株式会社
OUT側のブロックを大きめに確保することで、OUT側への倒れこみを防ぎ、縦溝部分に高負荷時のみ接地する「プラスリブ」を設けることで、ふらつきを防ぐ構造となっています。
出典:住友ゴム工業株式会社
また、タイヤサイド部分を高剛性材料で強化し、コーナリング時にサイドウォール全体がたわむ構造とすることで、タイヤ自体の剛性を上げる工夫をしています。
結果として普段の街乗りや高速走行といった様々なシチュエーションにおいても、ふらつきのない走行を実現しています。
車重が重く、車高も高いデリカ:D5でもふらつきのない走りをしてくれています。
信号待ちの右左折時はもちろん、高速域でのコーナリング時でもふらつきを感じさせないので驚きました。
非対称パターンが偏摩耗を防ぎ、耐摩耗性能を向上
「ふんばりテクノロジー」はタイヤの摩耗を抑制する働きもしています。
出典:住友ゴム工業株式会社
ミニバンなどの車重の重い車は、OUT側の摩耗が早く進行してしまう「偏摩耗」が起こりやすいですが、RV505はOUT側のブロック面を大きくとった非対称パターンを採用しているので、効果的に偏摩耗を防いでくれます。
ダンロップによると、従来品RV504と比較して、実に53%以上の耐摩耗性能の向上を実現しているとのこと。
元々、ダンロップは他社と比較して耐摩耗性能が高いタイヤが多いですが、RV505は偏摩耗対策にも力を入れているので、耐摩耗性能の高さはトップレベルにあると言えます。
エナセーブ RV505のイマイチな点
静粛性は良くない
出典:住友ゴム工業株式会社
ダンロップによると、接地形状を丸くすることで路面からの衝撃を吸収し、ブロック配列を最適化するなどして、従来品RV504と比較して、ロードノイズ34%減、パターンノイズ31%減を図ったとされています。
一方で、ダンロップの上位タイヤに搭載されている「サイレントコア(特殊吸音スポンジ)は採用されていません。
荒れていない一般道を走っていても「ゴー」というロードノイズはかなり聞こえてくるので、静粛性はあまり良くないのかなと思います。
グリップ感は薄め
エコタイヤ全般に言えることですが、RV505もグリップ感は薄めだと感じます。
タイヤと路面の間に布を挟んだような感覚が拭えず、特に雨などの滑りやすい路面でのコーナリングの際はズルっと滑るような感覚を覚えました。
ウエットグリップ性能もB(一部サイズC)であり、他社製品の中には、ウエットグリップ性能Aを達成している物も出てきているので、多少見劣りするかなと思います。
スピードを控えめにしていれば、上記で挙げた感覚も薄まるので、路面状況に気を配り、安全運転を心がければ問題はないと思います。
低燃費性能が良く、ふらつきのない走りを求める方にオススメ
ここまで、ダンロップ RV505の良い点やイマイチな点、使用感等を紹介してきました。
RV505は低燃費性能に優れており、デリカ:D5のような大型ミニバンのふらつきも徹底的に抑えてくれるので、ガソリンをなるべく節約したい方や酔いやすい方を乗せる機会が多い方には、オススメできるタイヤだと感じました。
販売価格も中価格帯ぐらいなので、ブリヂストン NEWNO(ニューノ)やダンロップ エナセーブ EC204といったエントリークラスのタイヤを履かせている方のアップグレードに最適だと思います。
総合評価
評価項目 | 点数 | 備考 |
ドライ性能 | 一般道を普通に走る分には十分な性能 | |
ウェット性能 | ウェットグリップ性能B(一部サイズ C) | |
燃費性能 | 転がり抵抗性能AA | |
乗り心地 | ふらつき抑制性能に優れる | |
静粛性 | 多少のロードノイズあり | |
寿命 | 耐摩耗性能は国産最強クラス | |
コストパフォーマンス | 中価格帯程度。耐摩耗性能を加味するとコスパは悪くない |