2020年代に入り、「PHEV(プラグインハイブリット)車」を街中で見かける機会が増えてきました。
プラグインハイブリッド車(PHEV・PHV)とはガソリンと電気の両方を使って走る自動車。
大容量のバッテリー、外部充電機能を備えており、ハイブリッド車(HV)と比べて電気のみで走行できる距離が長く、電気自動車(EV)よりも総航続可能距離も長い。
PHEV車といえば、三菱アウトランダーPHEVが市場を牽引していましたが、最近は各メーカーから様々なモデルが発売されています。
一方で、こういった車に使用するエンジンオイルについて、あまり取り上げられていないと感じています。
そこで今回は、
・PHEV車に求められるエンジンオイルとは
・オススメできるエンジンオイルについて
以上について、解説していきたいと思います。
プラグインハイブリッド車に求められるエンジンオイルとは?
一般的なガソリン車と比べて、PHEV車はエンジンオイルへの負荷が大きいです。
理由について、以下で解説したいと思います。
オイルの温度が上がりづらく、乳化現象が発生しやすい
PHEV車は、モーターによる走行が多いため、エンジンの稼働率が低いです。
そのため、ガソリンエンジンと比較してオイル温度が上がらず、エンジン内で発生した水分が蒸発せず、そのまま残ってしまい乳化(エマルジョン)が発生しやすくなります。
乳化(エマルジョン)はエンジンオイルに水分が混入して混ざった状態のこと。
一旦この状態になってしまうと分離することない。
乳化したエンジンオイルは、エンジンを保護する機能が低下しており、最悪の場合、エンジンブローを引き起こす原因となります。
エンジン始動回数が多く、スラッジが発生しやすい
車にとって、最も負担が大きい状況はエンジンの始動時です。
エンジン始動時は一定回転数で動作している時と比べて、燃料を燃やしきることが難しく、スラッジ(燃えカス)が発生しやすい環境となります。
技術の進歩により緻密な噴射制御が可能になっていますが、それでもスラッジの発生をゼロにすることはできません。
PHEV車は、バッテリー状況によりエンジンの稼働・停止を繰り返すので、ガソリンエンジン車よりも、エンジンの始動回数が多くなります。
このことから、PHEV車はスラッジがエンジンに蓄積しやすいと言えます。
PHEV車には低粘度で優れた添加剤が配合されたエンジンオイルが最適
では、どんなエンジンオイルを使うべきか?
結論を言うと、低粘度かつ優れた添加剤が配合されたエンジンオイルを使用するべきと考えます。
エンジンオイルには様々な添加剤が配合されています。
添加剤の量が適切で、質の高いものが配合されていれば、スラッジの蓄積や乳化の症状を効果的に防ぐことができます。
価格が極端に安いエンジンオイルは添加剤の量を少なくし、質を落としてコストダウンをしている場合が多いです。
また、油温の上がりづらいPHEV車は、オイルの潤滑性も低くなりがちです。
ですので、低温時でも流動性に優れた低粘度オイルを用いることで、オイルをしっかりと潤滑させ、性能を引き出すことが必要なのです。
PHEV車にオススメするエンジンオイルについて
Shell HELIX FUELSAVE 0W-20
1つ目にオススメする商品はShell HELIX FUELSAVE 0W-20です。
このオイルは「GTL」と呼ばれる天然ガス由来のベースオイルを採用しています。
原油由来のベースオイルと比べて、ベースオイルの性能が高く、低温時でも潤滑性能が落ちません。
また、添加剤の効果を弱める硫黄や窒素といった不純物をほとんど含まないため、添加剤の効果を最大限引き出し、性能を長期間維持することができます。
価格も6,000円程度と比較的安価で、イエローハットやオートバックスといった量販店でも販売されているので、入手性にも優れます。
TOYOTA 純正モーターオイル(キャッスルオイル) 0w-20
2つ目にオススメする商品はトヨタ 純正モーターオイル(キャッスルオイル) 0W-20です。
このオイルは4,000円程度と安価ですが、ベースオイルに化学合成油(VHVI)を採用しており、低粘度化を図っています。
ホウ素とモリブデンを配合することで、エンジン保護性能を維持しつつ、摩擦抵抗を低減する工夫がされており、エンジンの稼働・停止を繰り返すPHEV車にも相性が良いです。
なんといっても、トヨタの新車開発時にも使われるオイルなので、信頼性は抜群です。
まとめ
今回は、PHEV(プラグインハイブリッド)車に適したエンジンオイル、オススメの商品について解説させていただきました。
皆様のオイル選びの参考になれば幸いです
以上、motomoro-style(@Motomoro_style)でした!