インターネットで「RX-8」を調べてみると、
「RX-8 やめとけ」
「RX-8 維持できない」
といったネガティブの検索候補が上がってきます。
はっきり言います。
RX-8はスポーツカー初心者にこそオススメです。
ただしRX-8に乗る以上、守らなければならない注意点があることも事実です。
そこで今回は、
・RX-8がスポーツカー初心者にオススメの理由
・RX-8に乗る上で、気をつけるべきポイント
以上の点について、解説していきたいと思います。
RX-8がスポーツカー初心者にオススメの理由
価格が安い
RX-8は、中古価格が安いです。
近年、メーカーがスポーツカーの生産を積極的に行っておらず、車種も少ないので、新車で買うとなるとそれなりの費用が必要になってきます。
86、BRZは300万円以上しますし、コスパがよいと評価の高いスイフトスポーツでも200万円は必要になってきます。
また、中古車も海外市場での国産スポーツカー人気の高まりから価格が高騰しており、中には当時の新車価格の3倍以上の価格で取引されているものもあります。
一方で、RX-8は100万円程度を用意すれば保証付の個体を購入できるので、コストパフォーマンスに優れていると言えます。
燃費性能は6~8km/Lと良くはないですが、比較対象として取り上げられる86、BRZの実燃費も9~11km/Lなので個人的には大きな差はないのかなと思います。
燃費性能が優れていたとしても、車両本体価格自体が高ければ意味がないので、トータルの金額で考える必要性はあると思います
メンテナンス費用は思ったよりかからない
RX-8の日常的なメンテナンスは、オイル交換、冷却水の点検・補充、プラグ交換のみです。
著者は、この他には特別なメンテナンスを行っていませんが、不具合なく乗れています。
冷却水、プラグ交換は車検毎の交換で足りるので、普段のメンテナンスは、オイル交換のみなのでやることは一般的な乗用車と変わらないと思います。
RX-8はエンジンオイル交換の頻度と費用が高いという意見をたまに聞きますが、著者は4,000㎞毎にオイル代含めて7,000円程度で交換しています。
なお、RX-8にオススメのエンジンオイルについては、こちらの記事をご覧ください。
大人4人が乗れる居住性と十分な荷室空間を確保している
RX-8は、大人4人が快適に乗車することができます。
この条件を満たしているスポーツカーはレアだと思います。
ロードスターなどは2人乗りですし、86やBRZはカタログ上では4人乗りとなっていますが、後席で大人が長時間過ごすのは狭すぎて苦行です。
RX-8の後席は上部スペース、膝前空間にも余裕があり、男性が乗っても窮屈さを感じませんし、ドアも観音開き式の4ドアなので乗降性にも優れています。
出典:ロータリーは死なず! マツダ「RX-8 SPIRIT R」は今でも心トキメクスポーツカーだった!
著者はキャンプもよく行うのですが、大人2人、子供1人の装備を積載するぐらいは余裕なので助かっています。
画像だと雑に積んでいますが、後席も活用すれば多くの荷物を運ぶことができます。
ハンドリング性能に優れ、運転が楽しい
出典:マツダ RX-8 スピリットR(SPIRIT R)試乗レポート/岡本幸一郎(1/3)
RX-8のハンドリング性能の高さは群を抜いています。
現代では少なくなってきたFRレイアウトを採用しており、
前後重量配分50:50を実現しているので、コーナリング性能も抜群ですし、ボディ剛性も高くホイールベースも長いので、直進安定性にも優れています。
ハンドル操作にきっちり車が反応してくれるので、運転していて楽しいです。
コーナリング中にアクセルを踏んでいっても、さらに曲がっていくような不思議な感覚を覚えたのは、RX-8が初めてでした。
ロータリーエンジンを搭載しており、希少性が高い
出典:三井ダイレクト損害保険株式会社
RX-8は、動力源に「ロータリーエンジン」を採用しています。
ロータリーエンジンはマツダのみが量産に成功し、大切に育ててきた重要な存在で、
軽量コンパクトでありながら高出力、エンジン回転が非常になめらかで振動も少ないといったスポーツカーのエンジンとして優れた特性を持っています。
一般的なスポーツカーに搭載される「レシプロエンジン」とは異なった世界観を提供してくれることがRX-8の魅力の1つだと思っています。
MX-30でロータリーエンジン搭載車が復活しましたが、あくまでも発電用としての利用にとどまっています。
ですので、駆動用として「ロータリーエンジン」を活用する車は、RX-8がおそらく最後であると考えられることから、今後、希少性が高くなってくると考えられます。
RX-8に乗る上で、気をつけるべきポイント
ここまで、スポーツカー初心者にRX-8がオススメの理由を述べてきましたが、もちろんRX-8を維持する上で、注意すべき点があります。
メンテナンスを決められたサイクルで必ず行う
RX-8の日常的なメンテナンスは、オイル交換、冷却水の点検・補充、そしてプラグ交換のみであると、前述で記載しました。
重要なことは、これらのメンテナンスを決められたサイクルで実施するということです。
まだ大丈夫だろうと先延ばしにしたりすると、高確率でエンジン不調に繋がります。
下記の記事でも解説していますが、ロータリーエンジンは発熱量が大きく、点火回数も多いので冷却水、エンジンオイル、プラグへの負担がレシプロエンジン車と比較して大きいです。
ですので、これらのメンテナンスを怠った場合、エンジンの不調に繋がりやすいのです。
レシプロエンジン車もこれらのメンテナンスを定期的に行う必要があるのですが、多少サボったとしてもエンジン出力が低下するぐらいで済むこともあります。
しかし、ロータリーエンジンの場合はエンジンが始動しなくなり、走行不能に陥るといった致命的な症状に繋がりやすいです。
メンテナンスをきっちり行っていれば、15〜20万キロまでエンジンを載せ替えすることなく乗ることが可能で、そのようなユーザーさんも多いです。
ですので、メンテナンスは決められたサイクルできっちり行うようにしましょう。
できるだけ乗らない期間を作らない
ロータリーエンジンは、燃焼室内にエンジンオイルを供給することで、ローターハウジングとアペックスシール、サイドシール、コーナーシールとの隙間を埋めて、気密性を保つ構造となっており、摺動面も広いことが特徴です。
出典:ロータリーエンジンの特徴的構成部品 ロータリーエンジンの可能性④
つまり、レシプロエンジン以上にエンジン内部に油膜が形成されていることが重要なのです。
長期間放置し、油膜が落ちてしまった状態でエンジンを掛けてしまうと、シール類やローターハウジングにダメージが入ってしまい、圧縮圧力値(コンプレッション)の低下の原因となります。
圧縮圧力値(コンプレッション)が限度値を下回ってしまうと、エンジンの載せ替え、オーバーホールが必要になります。
そのため、なるべく乗らない期間を作らないようにし、油膜を切らさないようにしましょう。
ロータリーエンジンはエンジン内部にカーボンが溜まりやすい特徴もあるので、週に1回は郊外路を走るなどして、エンジン内部に熱を入れてカーボンを飛ばしてあげるとコンディションを良好に保てます。
中古車購入の際には、エンジンの始動性を確認すること
これは中古車を購入する際のことですが、欲しいと思ったRX-8を見つけたら、必ず現車確認を行い、エンジンの掛かり具合やアイドリングの状況を確認するようにしましょう。
RX-8はメンテナンスがきちんとされていない場合、エンジンの掛かりが悪い、アイドリングが不安定といった症状が出ているケースがほとんどです。
逆に言えば、上記の症状が見られない場合、エンジンの状態は悪くないと判断できるので、絶対にチェックしましょう。
販売店が圧縮圧力値(コンプレッション)を測定している場合もありますので、併せて確認してみることをオススメします。
なお、RX-8の中古車選びについては、以下の記事でも紹介しています。
まとめ
ここまで、RX-8がスポーツカー初心者にオススメできる理由と乗る上で、気をつけるべきポイントを解説してきました。
RX-8は良質な中古車を選び、メンテナンスさえしっかりやれば、トラブルに見舞われることは滅多にありません。
RX-8も生産終了から年数が経ち、数も少なくなってきました。
悩んでいる方は早めに行動し、この車の走りを体感していただけると嬉しいです。