
デリカD5のディーゼルモデルは、2012年12月のマイナーチェンジ時に追加設定されました。
以降は、販売台数の7割以上をディーゼルモデルが占める程になり、後にディーゼルモデルに一本化されることとなりました。
しかし、デリカD5のディーゼルエンジンのエンジンオイルについて、よく分からないと思っている人が結構いるのではないでしょうか?
そこで今回は、
・デリカD5(ディーゼル)に求められるエンジンオイルとは
・オススメできるエンジンオイルについて
以上について、解説していきたいと思います。
デリカD5(ディーゼル)に求められるエンジンオイルとは?
デリカD5(ディーゼル)のエンジンについて
デリカD5のディーゼルモデルは、2.2Lディーゼルターボエンジン(4N14型)が使用されています。
型式は変わりませんが、2019年のマイナーチェンジの際に、エンジンの大幅改良(コンロッド、ピストン等の主要部品の約5割)が施されており、マイナーチェンジ前と比べて、最大トルク(36.7 kgf•m→38.7kgf•m)、静粛性能が向上しています。
4N14型 (MC前) | 4N14 (MC後) | |
---|---|---|
エンジン | 直列4気筒 DOHC 16バルブ | 直列4気筒 DOHC 16バルブ |
総排気量 | 2267cc | 2267cc |
最高出力 | 148PS/ 3,500 rpm | 145PS/ 3,500 rpm |
最大トルク | 36.7kgf•m/ 1,500〜2,750 rpm | 38.7kgf•m/ 2,000 rpm |
駆動方式 | 4WD | 4WD |
販売期間 | 2012年〜2019年 | 2019年〜現在 |
また、新たに尿素SCRシステムを採用し、厳しい排ガス規制をクリアしながらも、性能を落とさずパワフルな走りを実現しています。
4N14型は、今では当たり前になってきた低圧縮比化をいち早く実現し、長年改良を続けてきた歴史あるエンジンの1つです。
PM(煤)、硫黄酸化物の生成量が多く、エンジンオイルが汚れやすい
ディーゼルエンジンに使用する「軽油」は炭素、硫黄成分が多く含まれています。

また、ディーゼルエンジンは高温高圧の環境下で燃焼させる構造上、ガソリンエンジンと比べるとPM(煤)、硫黄酸化物の発生量が多くなります。
ですので、エンジンオイルが汚れやすいと言えます。
また硫黄酸化物は水と反応することで、エンジン内部を腐食させる硫酸へと変化するため非常に厄介です。
オイルが高温高圧に晒されやすく、負荷が大きい
エンジンオイルには、添加剤としてポリマー(粘度指数向上剤)などが含まれており、油温が高くなった場合においても、粘度を維持する機能があります。

しかし、このポリマーは圧力がかかり続ける状況が続くと、粘度を維持する能力が失われてしまいます。
ディーゼルエンジンはガソリンエンジンと比べると圧縮比が高いため、高温高圧になりがちです。
つまり、ディーゼルエンジンの環境は、エンジンオイルにとって負荷が大きいと言えます。
デリカD5(ディーゼル)には洗浄性能、耐熱性に優れたオイルが最適
では、デリカD5にはどんなエンジンオイルを使うべきか?
結論から言うと、洗浄性能、耐熱性に優れたエンジンオイルを使用するべきと考えます。
デリカD5(ディーゼル)はクリーンディーゼルと呼ばれる、排出ガス後処理装置(DPF)が搭載されたディーゼル車です。
そのため、DL-1と呼ばれる規格を満たすオイルを使用する必要がありますが、その中でも洗浄性、耐熱性能に優れたオイルがデリカD5のディーゼル車には最適と言えます。
DL-1は、日本自動車技術会規格(JASO)が定めるエンジンオイルの規格の一つで、クリーンディーゼルエンジンを搭載した小型乗用車に使用されます。
DL-1規格を満たしていないオイルを使用した場合、DPFが目詰まりを起こし、破損する可能性があります。
洗浄性能、耐熱性に優れたエンジンオイルの見分け方とは?
洗浄性能、耐熱性に優れたエンジンオイルとは何か?
見分け方について、記載していきたいと思います。
ベースオイルの種類に注目する
ベースオイルとはエンジンオイルの主成分となるオイルです。
ベースオイルはAPI(アメリカ石油協会)により、5段階(グループ)に分類することができ、グループが進むにつれて品質が向上していきます。
ベースオイルの種類 | 耐熱性能 |
---|---|
グループⅠ 鉱物油 | 低(100〜120℃) |
グループⅡ 鉱物油 | 低(100〜120℃) |
グループⅢ 高度水素化分解基油(VHVI、HIVIなど) | 中(170〜200℃) |
グループⅣ PAO(ポリアルファオレフィン) | 高(200〜220℃) |
グループⅤ グループⅠ~Ⅳに属さないベースオイル(エステル系など) | 高(200℃程度) |
ベースオイルの種類によって、耐熱性能はこれだけ変わってきます。
デリカD5のエンジンオイルを選ぶ際は、グループⅢ以上のベースオイルが使われているか確認しましょう。
極端に安いエンジンオイルは使用しない
エンジンオイルの価格はベースオイルの品質、添加剤の配合量で決まります。
安価に販売するには、これらの質を落として生産コストを抑える必要があります。
中でも洗浄性能に関わる添加剤は、効果が分かりにくく、安いエンジンオイルでは配合量が少ないか全く入っていないケースもあります。
ですので、あまりにも安いエンジンオイルは使用しないようにしましょう。
デリカD5(ディーゼル)にオススメするエンジンオイルについて
トヨタ純正 ディーゼルエンジンオイル DL-1 0W-30

1つ目に紹介する商品はトヨタ純正 ディーゼルエンジンオイル DL-1 0W-30です。
このオイルはトヨタ純正オイルだけあって、品質、入手性に優れており、価格も安価(4L缶:約5,000円)です。
0W-30と低温時でもオイル粘度が柔らかく、高温時でも粘度低下が少ないので、洗浄性能、保護性能に優れています。
また、オイルが温まっていないときの燃費性能にも優れているのも特徴です。
AZ (エーゼット)ディーゼルオイル CED-001 0W-30

2つ目に紹介する商品は、AZ (エーゼット)ディーゼルオイル CED-001 0W-30です。
このオイルは、高品質グループⅣベースオイル「PAO」を配合することで、スラッジの原因となる添加剤の配合を抑えつつも、高い耐熱性能を実現しています。
また、高価なPAOを使用しつつも、価格も4Lあたり約3,000円とコスパにも優れています。
まとめ
今回は、デリカD5(ディーゼルモデル)に適したエンジンオイル、オススメの商品について解説させていただきました。
皆様のオイル選びの参考になれば幸いです
以上、motomoro-style(@Motomoro_style)でした!